死刑
今、ある番組を見ている。
番組内では、川で天然鮎を捕まえ、生きてる鮎にそのまま口から串を刺し、丸焼きにするという。
ミシュラン三つ星の料理人が、「生きている間に串を刺して焼いた方がおいしいんですよ」と言う。
しかし、私はふと思った。
「これは料理ではない。死刑だ。」
想像してみてほしい。
川を泳いでいると、急に巨人に捕まえられ、口から尻までグサっと串を刺される。死にそうになるが、必死に息をする。しかし、次の瞬間、下から火をあてられ、めちゃめちゃ暑いやんけ、となる。どうやら焼かれているのだと気づく。汗が止まらないというレベルではなく、燃やされている。そして、死ぬ。そして、巨人に食べられるのだ。
人間にとっては、とても美味しい料理だ。しかし、人間の一瞬の感動のために、魚を殺していいのか。殺すにしても、もっとマシな殺し方はないのか。
人間の世界では、人を殺したら犯罪者となる。また、さらに酷いことをした人は、死刑になる。死刑制度については、世界中で、賛否の声があがっている。
でも、でもね、
そんなこと論じる以前に、人間はひどいことをしている。動物にも。魚にも。
「食物連鎖」という言葉では片付けられないほどのことをしてしまっている。
魚にも心はある。言葉が通じないだけだ。人間は人間にだけ優しくすればいいのではない。魚や動物にも優しくありたいものだ。
食べなければ生きていけないから、しょうがないが、料理の仕方、すなわち生物の殺し方については、もっと考える余地があるだろう。
動物愛護法みたいな法律はいらないが、優しさは持つべきだと思う。